2025/11/20 18:56

子どもの成長期には、心身の発達を支える栄養が非常に重要です。しかし、現代の食生活では、偏食や小食、外食の増加などにより、必要な栄養素が不足しがちなケースも見られます。そんなとき、栄養補助食品は、不足しがちな栄養素を補う選択肢として役立ちます。
この記事では、栄養補助食品の必要性や選び方を解説するとともに、栄養素別のおすすめ栄養補助食品をご紹介しています。
子どもに栄養補助食品は本当に必要?具体的なケースとメリット
栄養補助食品は不足しがちな栄養素を補給できますが、子どもに与えても良いのでしょうか。
どんなときに栄養補助食品を検討すべき?
以下のようなケースでは、栄養補助食品を検討すると良いでしょう。
- 偏食や小食
好き嫌いが多い、食べる量が極端に少ない場合は、成長に必要なビタミンやミネラルが不足しがちです。
- 運動量が多い
運動量が多く活発な子どもは、エネルギー消費が大きいため、通常の食事だけでは栄養が不足することがあります。
- 季節の変わり目
季節の変わり目や体調を崩しやすい時期には、免疫力維持のために栄養サポートが役立ちます。
- アレルギーなどで食材に制限がある
アレルギーなどで食べられる食材が限られている場合も、不足しがちな栄養素を補うために栄養補助食品が有効です。
栄養補助食品を取り入れるメリット
手軽に不足している栄養素を補給できることが大きなメリットです。毎日の食事で全ての栄養素をバランス良く摂るのは難しいため、補助食品がそのギャップを埋めてくれます。これにより、子どもが十分に食べているか、必要な栄養を摂れているかといった心配が減るでしょう。
また、適切な栄養補給は子どもの成長をサポートし、健やかな発育を促します。さらに、特定の栄養素を集中して補給できるため、例えば鉄分が不足しがちな子には鉄分を、カルシウムが必要な子にはカルシウムを効率的に与えることができます。
子ども向け栄養補助食品の選び方

ここでは、目的別にどのような栄養補助食品がおすすめか、解説します。
成長期の子どもに
<おすすめの栄養素>
- たんぱく質
- 鉄分
- カルシウム など
これらの栄養素が成長期の子どもに役立つ理由は、まずたんぱく質が体のあらゆる組織を作る主要な材料となるからです。次に鉄分は、血液の材料として全身に酸素を運び、エネルギー生成に不可欠です。特に女子は月経により貧血になりやすいため、意識的な摂取が重要です。そして、カルシウムは丈夫な骨と歯の形成をサポートし、健やかな成長を支えます。これらの栄養素をバランス良く摂ることで、子どもの健全な発育を促します。
風邪に負けない体をつくりたい子どもに
<おすすめの栄養素>
- 乳酸菌
- 食物繊維
- たんぱく質 など
これらの栄養素が風邪に負けない体づくりに役立つ理由は、乳酸菌と食物繊維が腸内環境の改善にアプローチするからです。腸は免疫機能と深く関わっており、良好な腸内環境は免疫力アップに繋がります。また、たんぱく質は免疫細胞を作る材料となるため、不足なく摂取することで、体が病原体と戦う力を高めることができます。
好き嫌いや偏食・小食の子どもに
<おすすめの栄養素>
- マルチビタミン
- たんぱく質 など
食事内容が偏ると、成長に必要なビタミンやたんぱく質が不足しがちです。マルチビタミンは、さまざまな種類のビタミンをまとめて補給でき、食事で不足しがちな栄養素を効率的にカバーします。たんぱく質は、体の組織を作る重要な材料であり、成長期の健全な発育をサポートします。これらを補うことで、栄養バランスを整え、子どもの健やかな成長を支えることができます。
勉強を頑張りたい子どもに
<おすすめの栄養素>
- DHA&EPA
- マルチビタミン(特にビタミンB群) など
DHA・EPAが記憶の定着をサポートする働きがあり、学習効果の向上に貢献すると期待されます。また、ビタミンB群は、摂取した糖質を効率よくエネルギーに代謝し、集中力の維持を助ける重要な役割を担っています。これらの栄養素を補給することで、脳の機能をサポートし、勉強に取り組む子どもの力を最大限に引き出す手助けとなります。
スポーツを頑張りたい子どもに
<おすすめの栄養素>
- たんぱく質
- マルチビタミン&ミネラル
- カルシウム など
たんぱく質は筋肉をはじめとする体づくりの基本となります。マルチビタミン&ミネラルは、運動によって消費されやすく、食事だけでは不足しがちです。栄養補助食品で補うことで、高いパフォーマンス維持をサポートします。そして、カルシウムはスポーツで負荷がかかる骨を丈夫にするために不可欠であり、成長期の子どもの健やかな骨づくりに役立ちます。
栄養補助食品の種類
栄養補助食品には、さまざまな形状があり、それぞれの特徴とメリットがあります。子どもの年齢や好み、摂取したい栄養素、利用シーンに合わせて選ぶことが重要です。主な種類とそれぞれの特徴・メリットを以下の表にまとめました。
【栄養素別】子ども向けおすすめ栄養補助食品
栄養素別に、おすすめの栄養補助食品をピックアップしました。ぜひ、日々の健康維持に役立ててください。
たんぱく質
>>ザバス ジュニアプロテイン
【タイプ】パウダー
1食で6gのたんぱく質を補給でき、強い体づくりをサポ-ト。さらに、食事だけでは不足しがちな10種類のビタミンに加え、カルシウム、鉄、マグネシウムといった大切なミネラルもバランス良く摂れるのが特徴です。子どもが好きなココア味で、美味しく飲めます。
>>inゼリー プロテイン5g
【タイプ】ゼリー
普段の食事でたんぱく質不足を感じる方におすすめの商品です。1袋で5gのたんぱく質を手軽に補給。さらに低脂質・脂肪ゼロなので、余計な糖質や脂質を気にせず摂取できます。飲みやすいヨーグルト味で、毎日無理なく続けられるでしょう。
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鉄分
>>UHA グミサプリCa・鉄
【タイプ】グミ
育ち盛りの子どもに大切な、鉄とカルシウムを美味しく補給できるグミです。パイナップル味とマンゴー味の2種類が入っているので、おやつ感覚で毎日楽しく続けられます。さらに、カルシウムの吸収を助けるビタミンDも加わり、お子さんの健やかな成長をしっかり支えます。
>>ファンケル 親子de 鉄分
【タイプ】チュアブル
不足しがちな鉄分や亜鉛をはじめ、ビタミンB6・12が一度に摂れる商品です。1日1〜2粒で効率的な補給が可能です。親子で共有できる栄養価設計も、うれしい配慮です。
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カルシウム
>>ROHTO セノビック
【タイプ】パウダー
成長期の骨を研究して生まれた、セノビックシリーズ。カルシウムに加え、吸収を助けるビタミンD、そして不足しがちな鉄分も豊富に配合。牛乳が苦手なお子さんでも美味しくカルシウム補給ができます。ミルクココア、いちごミルク、バナナ、ヨーグルトと、飽きずに楽しめる豊富な味が揃っています。
>>ネスレ ミロ
【タイプ】パウダー
長年にわたり親しまれているミロは、子どもの栄養補給にぴったりです。コップ1杯で、1日に必要なカルシウム、鉄分、ビタミンDの約半分を摂取可能。親子で美味しく栄養を補給できる上に、スーパーなどで手軽に購入できるのも人気の秘密です。
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乳酸菌
【タイプ】グミ
&GUMI(アンドグミ)は、1粒に乳酸菌が1000億個も配合された、体に優しいグミです。乳酸菌のエサとなるオリゴ糖も含まれており、効率的に腸内環境を整えます。ヨーグルト味で美味しく食べられるのはもちろん、着色料不使用かつアレルゲンフリーなので、お子さんにも安心して与えられます。
>>「アレルケア」こども用
【タイプ】チュアブル
アレルケアは、ぶどう味とヨーグルト味の2種類から選べる、チュアブルタイプの商品。健康づくりを支えるL-92乳酸菌を、研究データに基づき20.7mg配合しています。アレルゲンフリーで、どなたでも安心して食べられます。
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食物繊維
>>おやつサプリ(野菜コンソメ味)
【タイプ】スナック
スナック感覚で楽しめるおやつサプリは、子どもにも大人にも好評です。1袋で食物繊維2.1g(レタス約2/3個分)を摂取でき、善玉菌のエサとなるオリゴ糖もプラス。優しい野菜コンソメ味で、いつものおやつを美味しく腸活タイムに変えられます。
>>こどもサンファイバー
【タイプ】パウダー
1回に約4g(レタス約1.2個分)の食物繊維が摂れるため、野菜不足が気になるご家庭におすすめです。味がなく、溶けやすいため、さまざまな料理や飲み物に手軽に加えられます。
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マルチビタミン
>>UHA グミサプリKIDS マルチビタミン
【タイプ】グミ
ビタミンA、D、E、Cを一度に摂取できるグミタイプの栄養補助食品。ビフィズス菌も加わり、体の内側からお子さんの健康を支えます。ブルーベリーヨーグルト味とストロベリーヨーグルト味の2種展開で、飽きずに楽しく続けられます。
>>キッズビタミンサラダチュアブル
【タイプ】チュアブル
ビタミンC、B群、Dを含む全11種類のビタミンが摂れるチュアブルです。乳酸菌と野菜嫌いなお子さんを支える大麦若葉も配合。ヨーグルト味は、お子さんがよろこんで食べる美味しさです。
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DHA・EPA
>>明治 ミラフル 粉末飲料
【タイプ】パウダー
考える力をサポートするDHA配合のパウダー飲料。これ一つで、1日の約半分に相当する鉄分、亜鉛、カルシウム、ビタミンDが簡単に補給できます。牛乳に溶かせば、いちごミルク、バニラミルク、チョコミルク風味の美味しいドリンクが完成。朝食やおやつに加えるだけで、効率的に栄養を摂取できます。
>>こどもDHA ドロップグミ
【タイプ】グミ
魚が苦手な子どもも、おやつ感覚でDHAやEPAを摂れるグミです。小粒で食べやすく、爽やかなオレンジ味はお子さんの食欲をそそります。親子で美味しく、脳の健康維持に役立てられるでしょう。
子どもが栄養補助食品を利用する際の注意点

栄養補助食品はとても便利ですが、いくつか注意したいことがあります。
過剰摂取は避ける
栄養補助食品は、パッケージに記載されている適切な量を必ず守りましょう。たくさん与えればより効果があるわけではありません。過剰な摂取は、かえって子どもの体に負担をかけたり、体調不良を引き起こしたりする可能性があります。正しい量を守り、安全に利用することが大切です。
バランスの取れた食事の基本を忘れない
栄養補助食品はあくまで補助的な役割であることを忘れてはいけません。最も重要なのは、主食、主菜、副菜を揃えたバランスの取れた日々の食事です。補助食品に頼りすぎず、さまざまな食材から栄養を摂ることを基本とし、不足しがちな栄養素を補う目的で利用しましょう。
アレルギーの有無を確認する
栄養補助食品を与える前に、必ず製品の成分表示をしっかりと確認してください。子どもに食物アレルギーがある場合は、アレルギーの原因となる物質が含まれていないか注意深くチェックすることが不可欠です。万が一、異変が見られた場合はすぐに使用を中止し、医師に相談しましょう。
薬との併用は医師や薬剤師に相談する
もし子どもが他に薬を服用している場合は、栄養補助食品との併用について必ず医師や薬剤師に相談してください。栄養補助食品に含まれる成分が、薬の効果を強めたり弱めたり、思わぬ相互作用を引き起こすリスクがあります。専門家のアドバイスを受け、安全に利用しましょう。
上手に子ども向け栄養補助食品を利用しよう
子ども向け栄養補助食品は、日々の食事だけでは補いきれない栄養素をサポートする、心強い味方です。好き嫌いや偏食、運動量が多いなど、子どもの状況に合わせて上手に活用することで、健やかな成長を後押しできます。ただし、あくまで「補助」であることを忘れず、バランスの取れた食事を基本としましょう。
利用に関して何か不安な点があれば、自己判断せず、必ずかかりつけ医や管理栄養士に相談しましょう。専門家のアドバイスを受けながら、安全で効果的に栄養補助食品を取り入れてください。
【執筆者プロフィール】

【執筆者プロフィール】

端場 愛
管理栄養士として、中高生から高齢者まで幅広い世代の栄養管理に従事。食べ物と体の関係を分かりやすく伝えるために、栄養食育ライターとして活動中。"今日よりもちょっとだけ健康になれるような情報"を提供するのがモットー。2児の母である経験を活かし、ママやパパの気持ちに寄り添った情報を発信。

