2025/11/20 18:56

子どもの免疫力を高めるには、生活習慣を整え、ストレスをためないことが大切です。特別な方法があるわけではなく、普段の生活にひと工夫するだけで対策できます。
とはいえ、
- 子どもが風邪をひきやすいのはなぜ?
- 子どもの免疫力を高める方法はある?
このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、子どもが風邪をひきやすい理由や免疫力を高める体づくりのポイント、おすすめの食べ物について分かりやすく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、お子さんの健康づくりにお役立てください。
免疫力とは?
「免疫力が健康には大事」との話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。そもそも免疫力とはなんであるかについて見ていきます。
免疫力とは、私たちに生まれつき備わっている「体を守る仕組み」のことです。ウイルスや細菌などの病原体から私たちを守る、ガードマンの役割があります。病原体が体内に侵入しようとしたときに、危険を察知し守ってくれるのです。
免疫力が正常に働いていれば、入ってきたウイルスや細菌を退治したり、仮に風邪をひいたとしても軽くすんだりします。しかし、夜更かしや偏食などにより、生活リズムや栄養バランスが乱れていると、免疫力が低下し、病気にかかりやすくなります。免疫力を高めておくことが、風邪や病気から体を守るために大切なのです。
免疫には「自然免疫」と「獲得免疫」がある
私たちの体を守ってくれる免疫には「自然免疫」と「獲得免疫」の2つがあります。2つが協力して働くことで、病原体から体を守ってくれます。
自然免疫
自然免疫は、生まれつき体に備わっている防御システムです。体内にウイルスや細菌が入ろうとすると、敵だと察知して攻撃、排除してくれます。
敵が皮膚や鼻や口の中、消化管に付着すると、それ以上体内に侵入しないように働きます。体に入ってきたウイルスや細菌に対して、マクロファージやナチュラルキラー細胞と呼ばれる細胞が攻撃し、追い出す仕組みです。
獲得免疫
獲得免疫は、自然免疫を突破して体内に侵入した敵に対する防御システムです。獲得免疫は、過去に戦ったウイルスを覚えており、次に同じウイルスが入ってきたときに、専用の武器(抗体)で戦います。T細胞やB細胞と呼ばれるリンパ球などがその役割を担っています。
子どもは成長する過程で、さまざまな敵と戦い、免疫力がついていくのです。予防接種のワクチンは、獲得免疫の「記憶」の仕組みを利用しています。
子どもが風邪をひきやすいのはなぜ?
子どもはよく風邪をひきます。子どもが大人より風邪をひきやすい大きな理由は、免疫システムが未熟であることです。ウイルスと出会う機会が、大人より多いことも関係しています。育て方に問題があるわけではありません。理由を詳しく見ていきましょう。
免疫システムが十分に発達していないから
子どもが風邪をひきやすい一番の理由は、免疫システムが未熟であることです。
生まれたばかりの赤ちゃんは、お母さんからもらった免疫(移行抗体)をもらっています。そのおかげで、生後6か月頃までさまざまな病気から守られています。ところが、この力は生後6か月を過ぎる頃から弱くなるため、獲得免疫が安定する5〜6歳頃まで、体を守る力が弱い状態なのです。
この時期には、子どもはさまざまなウイルスと出会います。熱を出したりしながら体を守るガードマンを育てているのです。子どもが成長するうえでの自然な経過であり、こうして免疫システムが発達していきます。
ウイルスと出会う機会が多いから
ウイルスと出会う機会が多いことも、風邪をひきやすい理由の一つです。
とくに、幼稚園や保育園に通い始めると、環境が変わります。おもちゃを共有したり、顔や体を近づけて遊んだりするようになります。うがいや手洗いの大切さも十分に理解できていないため、一人が風邪をひくと、すぐに周りに広がってしまいます。
とはいえ、ご家族が過度に心配しすぎないことも大切です。「体を守るガードマンを鍛えるために起きている」と前向きに捉えるようにしましょう。
子どもの免疫力を高める体づくりのポイント5つ

子どもが風邪をひくのは、成長する過程で自然なことです。でも、家族としてはできるだけ風邪をひいてほしくないですよね。病気に負けない、健やかな体をつくるためのポイントを5つ紹介します。
1.生活リズムを整える
私たちの体には「体内時計」があり、体のアクセルとブレーキの役割を果たす自律神経をコントロールしています。
夜更かしなどで生活リズムがバラバラになると、体内時計が狂い、自律神経のバランスは乱れやすくなります。すると免疫力が低下し、風邪をひきやすくなってしまいます。毎日の生活は、以下を意識するとよいでしょう。
- できるだけ同じ時間に起きて、同じ時間に寝る
- 食事の時間は一定にする
- 朝食をしっかり食べる
- IT機器で遊ぶ時間はあらかじめ決めておく
- 夕食は寝る3時間前まで済ませる
夏休みなどの長期休みは、生活リズムが乱れやすくなります。幼稚園や学校に通っているときと、同じリズムで過ごしましょう。
2.栄養バランスのよい食事をとる
体を守るガードマンにしっかり働いてもらうには、栄養が必要です。さまざまな食べ物から、バランスよく栄養をとることが大切です。毎食、主食・主菜・副菜のそろった食事を心がけてください。「赤・緑・黄」の色を目安にすると、さらにバランスが整いやすくなります。
- ご飯・めん・パン(炭水化物):元気に動くためのエネルギーとなる
- 肉・魚・卵・大豆製品(たんぱく質):筋肉や臓器、皮膚、髪の毛をつくるもとになる
- 野菜・いも・きのこ・海藻(ビタミン・ミネラル・食物繊維):体の調子を整える
上記のほかに、牛乳や乳製品、果物も加えましょう。
好き嫌いが多いお子さんには、ひと手間加えてみましょう。野菜は細かく刻んでカレーやハンバーグに入れたり、魚は炊き込みご飯や混ぜご飯にしたりするなどの方法もおすすめです。
休日には家族で一緒に料理をしたり、大勢で食卓を囲んだりすると、楽しみながら食事ができるでしょう。
3.睡眠を十分にとる
適切な睡眠は、免疫力アップが期待できるほか、成長にも欠かせません。体を大きくする成長ホルモンは、眠っている間に分泌されます。「寝る子は育つ」というのは本当なのです。
アメリカの睡眠医学会では、以下の睡眠時間を推奨しています。
- 1~2歳児:11~14時間
- 3~5歳児:10~13時間
- 小学生:9~12時間
朝日を浴びることも、ぐっすり眠るために効果的です。また、IT機器に触れる時間にも注意を。寝る前の使用は避け、暗い環境で休むようにしましょう。ご家族が本を読み聞かせてあげると、気持ちが落ち着き、眠りにつきやすくなります。
4.外遊びや運動を積極的に行う
外で元気に遊ぶことも、免疫力アップにつながります。子どもは遊びからさまざまなことを学ぶため、成長発達においても欠かせません。
体を動かして遊ぶと、血流がよくなり、ガードマン達が全身に行き渡りやすくなります。また、日光を浴びることで、免疫の働きをサポートするビタミンDがつくられます。どろんこになって遊ぶことも大切です。思いきり体を動かすと、ストレス発散にもなります。
5.スキンシップや会話で安心感をあたえる
子どもの免疫力を高めるには、情緒の安定も大切です。スキンシップや会話をたくさんすると、幸せホルモンと呼ばれる「オキシトシン」が分泌されます。オキシトシンの働きで、不安な気持ちが和らぎ、安心感で満たされるようになります。
逆に、叱られることが多いと、ストレスにつながる場合もあります。叱るときと褒めるときのメリハリをつけて接することが重要です。手をつないだり、抱っこしたり、ハグしたりするなど、スキンシップの習慣も大切にしましょう。
子どもの免疫力アップにおすすめの食べ物・飲み物

子どもの免疫力アップに役立つ食べ物や飲み物を紹介します。毎日のメニューにプラスして、お子さん、ご家族の体づくりに役立ててください。
たんぱく質を含む食品
たんぱく質は、体をつくるもとになるほか、免疫力を支えるために欠かせない栄養素です。不足すると体力や免疫力が低下し、風邪をひきやすくする可能性があります。また、成長にも影響を及ぼす場合もあります。たんぱく質を含む食品例は以下のとおりです。
- 動物性たんぱく質:牛肉・豚肉・鶏肉・アジ・サケ・鶏卵・牛乳
- 植物性たんぱく質:豆腐・納豆・高野豆腐・海苔・きな粉
肉や魚、卵、大豆製品など、さまざまな食品を取り入れてみましょう。
発酵食品
腸内環境は免疫と密接な関わりがあります。食事で腸内環境を整えることが重要です。善玉菌を増やす食べ物をとるようにしましょう。乳酸菌やビフィズス菌、納豆菌、酵母菌といった発酵食品がおすすめです。代表的な食べ物は以下のとおりです。
- ヨーグルト
- 乳酸菌飲料
- チーズ
- 味噌
- キムチ・漬け物
- 納豆
朝食にはヨーグルトや納豆を付ける、夕食には必ず味噌汁をとるなど、いつもの食事に+αの工夫を取り入れてみましょう。
食物繊維を含む食品
食物繊維は、善玉菌のエサとなり、善玉菌を助ける働きがあります。お腹の調子を整えてくれる働きもあります。おすすめの食材は以下のとおりです。
- ひじき、わかめ
- ゴボウ
- しめじ・しいたけ
- さつまいも
- ブロッコリー
食感も楽しめる食べ物ですが、子どもにとっては食べにくい場合があるかもしれません。小さくカットしたり、軟らかく煮たりするとよいでしょう。
ビタミンA・C・Eを含む食品
「ビタミンエース」と呼ばれるビタミンA・ビタミンC・ビタミンEは、美容だけでなく、免疫力アップにも効果が期待できる栄養素です。これらは体の酸化を防ぎ、免疫がスムーズに働くための潤滑油の役割を果たします。代表的な食品は以下のとおりです。
- ビタミンA:人参、かぼちゃ、ほうれん草、うなぎ
- ビタミンC:ピーマン、ブロッコリー、いちご、キウイフルーツ
- ビタミンE:かぼちゃ、アボカド、アーモンド、カシューナッツ
ビタミンAやビタミンEを含む食品は、油と一緒にとると吸収がよくなるため、炒め物にするとよいでしょう。ビタミンCは水に溶けやすく熱に弱い性質のため、生で食べるか、汁ごととれるスープにするのがおすすめです。
食事で不足しがちな栄養素はサプリメントの活用も
子どもの免疫力を高めるには、毎日の積み重ねが大切です。「これをすれば絶対風邪をひかない」といった方法はありません。
お菓子のように手軽に食べられるものを取り入れるのも方法の一つです。毎日食べることを考えると、添加物の多いものは避けたいですよね。そこで今回ご紹介するのが「&GUMI(アンドグミ)」です。
&GUMIは、1粒に1000億個もの乳酸菌を配合しています。乳酸菌のエサとなるオリゴ糖を使用しており、善玉菌を手軽にチャージできる栄養補助食品です。
着色料は使用しておらず、特定原材料8品目も不使用。余分なものは入れず、素材のよさを活かしています。ヨーグルト風味で、お子様がおいしく食べられますよ。
もちろん大人の健康習慣に取り入れることもできます。親子でおやつ感覚で始められて、善玉菌が元気を応援してくれます。
手軽な方法から始め、ご家族みなさんで健康な体づくりに取り組んでみてくださいね。
*本製品は特定原材料8品目(えび・かに・くるみ・小麦・そば・卵・乳・落花生)を使用していません。
【執筆者プロフィール】

【執筆者プロフィール】

北村 由美
看護師としてキャリアはのキャリアは30年以上。総合病院、地域病院、訪問看護ステーションなどに勤務し、
超体出生体重児からご高齢の方まで、さまざまな病気の方の看護を行う。
母の在宅介護をきっかけに、2022年より本格的にライターを開始。
「読者が共感できる記事」「わかりやすい記事」の執筆に努めている。医療・健康分野、看護師の働き方などを中心に執筆中。
保有資格:看護師・ケアマネジャー・登録販売者・薬機法管理者・アロマテラピー検定1級など

