2025/11/19 14:07

子どもが大好きなグミ、お店にたくさん並んでいますね。カラフルで見た目も楽しく、「買ってほしい!」と言われるとつい与えたくなりますが、年齢によっては、誤飲などのリスクも。「いつから食べさせて大丈夫なの?」と悩む保護者の方も多いのではないでしょうか。

この記事では、グミを食べさせる適切な時期や見極めるポイント、安全に楽しむための注意点について詳しく解説します。ぜひ、グミを選ぶ際の参考にしてみてください。

グミは何歳から食べさせてよい?2歳は正しい?


グミを食べさせてもよい年齢は、一般的に4歳以上とされています。これは、奥歯が生え始めてよく噛めるようになるからですが、一部の製品では「3歳以上」を目安としているものもあります。  
咀嚼力や嚥下の発達には個人差があるため、特に弾力のあるグミでは誤飲や喉に詰まってしまう危険性もあります。実際にグミを食べてもよいかどうかの判断は、年齢ではなく**子どもの成長段階を見て判断すること**が大切です。

最近では、人気キャラクターの形をしたものや、ビタミン・カルシウムを補う目的の子ども向けグミも販売されています。  
ただし、2歳児にはまだ早いケースが多く、発達段階に応じたグミの選び方と与え方が必要です。

子どもにグミを食べさせる時期を見極めるポイント4つ


グミは子どもに人気で、興味を持ちやすいおやつのひとつですが、安全に食べさせるには時期の見極めが重要になってきます。ここではグミを食べさせる時期の具体的な判断のポイントを4つ紹介します。お子さんの様子と比べてみてください。

1. 20本歯が生えそろっている
まず、子どもにグミを食べさせる時期を判断するには、乳歯の生えそろい具合が重要なポイントです。個人差はあるものの、乳歯は生後6〜9か月頃に生え始め、10か月頃には上下の前歯が揃い始めます。1歳10か月頃には乳歯の数は12〜16本ほどになり、やわらかいご飯や煮た根菜類、芋といったものも食べられるようになります。しかし、まだ硬い食べものは刻んで提供するなどの注意が必要な年齢です。  

3歳頃には食べ方の工夫が必要ながらも大人と似た食事を食べることができるようになり、さらに4歳以降になると咀嚼やえん下も安定してくるので、グミのような硬さや弾力のあるおやつもある程度は安全に楽しめるようになります。

2. 食事を落ち着いて食べられる
乳歯の生え具合だけでなく、食事中に落ち着いて食べられるかどうかも大切なポイントです。集中力がないと、誤って喉に詰まらせるリスクが高まります。

2歳頃までは一般的に「遊び食べ」と言われる食行動が多くの子どもに見られます。個人差があるものの3歳くらいまで続くこともありますが、これは自然な発達の一部なので、無理にやめさせずに、食事に集中できる環境や生活リズムを整えながら、おおらかな気持ちで成長を見守ることが大切です。

3. 唇(くちびる)を閉じる力や頬の力がついている
グミを安全に食べさせるためには、口の周りの筋肉の発達も重要な見極めポイントです。筋肉の発達が不十分だと、咀嚼や飲み込みがうまくできず、食べ物を喉に詰まらせる危険性があります。そういった姿が見られる場合には食べ物の硬さや形状を調節して、食事中にしっかり噛んで飲み込むことを意識させていきましょう。  

さらに、口腔機能の未発達は言葉の発音や表情づくりなど、成長全体に影響を及ぼす可能性もあります。日頃からブクブクうがいや、にらめっこなどの遊びを通して、楽しみながら口の筋肉を鍛える工夫をしておくとよいでしょう。

4. 大人の言うことを理解して実践できる
そして、大人の話すことを理解できるかどうかも大切なポイントです。大人の言うことが理解できない子どもは、まだ言葉の意味や危険の概念が十分に発達していないため、「よく噛んで食べてね」「ゆっくり食べようね」といった注意や指示の意図を正しく受け取ることができません。  

その結果、食べ物を丸のみしてしまったり、ふざけながら食べたりして、誤飲や喉詰まりなどの事故につながる可能性があります。  年齢だけでなく、子どもの理解力や性格に応じて、やさしく伝えることが、安全に楽しく食べさせるための第一歩です。

子どもにグミを食べさせるときの注意点

グミは楽しいおやつですが、お伝えしてきたように小さな子どもには注意が必要です。ここでは、子どもにグミを食べさせるときにどんなことに配慮していけないのか、4つのポイントについて詳しく紹介します。

声がけや見守りをしながら食べさせる
子どもは3〜4歳頃に乳歯がそろい始めますが、噛む力はまだ発達途中であり、大人ほど強くありません。そのため、硬いものや弾力のある食品をうまく噛めず、丸のみしてしまうこともあります。特にグミのような弾力のあるおやつは、喉に詰まらせるリスクがあるため注意が必要になってきます。  

また、咳をする力も弱いため、誤って気道に入った際にうまく吐き出せないこともあります。必ず大人がそばで見守り、「よく噛んでね」「上手に噛めたかな?」などと優しく声をかけながら、安全に食べられるよう配慮しましょう。

1回量を決めて出す
子どもは、自分で食べる量を調整するのがまだ難しく、グミを一度にたくさん口に入れてしまうことがあります。これにより、喉に詰まらせるリスクが高まるため、大人が1回に与える量をあらかじめ決めておくことが大切です。小さなお皿に出してあげると食べやすいですね。  

また、ビタミンやカルシウムなどの栄養成分が含まれているグミの場合は、食べ過ぎると栄養素の過剰摂取につながる可能性も考えられます。子どもの健康や安全のためにも、どの程度の量ならば食べてもよいかを大人がきちんと管理しながら与えることを心がけましょう。

子ども向けのグミを選ぶ
売られているグミを見てみると、グミには大人向けと子ども向けがあります。グミは子どものお菓子というイメージでしたが、ハードな食感に需要が高まっていることから、硬さを追求した大人向けの商品が増え続けています。大人向けのグミは固めに作られているため、小さな子どもには噛みにくい場合があります。  

パッケージにある注意書きの記載を参考にし、子どもにはやわらかくて噛みやすい子ども用グミを選びましょう。ただし、球状の形のグミは喉につまる危険があるため、ちぎったりカットするなどの工夫が大切です。

大人が食べ方を見せる
子どもにグミを食べさせるときは、大人が正しい食べ方を見せることが大切です。「こうやってよく噛んで食べようね」と声をかけながら、自分でゆっくり噛んで食べる様子を見せてみましょう。きっと子どももまねをして安全に食べるようになっていきます。  

そもそも、まねをするという行為は人間にもともと備わっている本能で、子どもにとって大人のまねをすることは経験を増やす機会になります。まねをすることによって蓄積された経験が「自分で考えて判断すること」や「自分で予測すること」につながっていきます。

添加物の少ないグミを選ぶ
子どもに与えるグミは、できるだけ無添加や添加物の少ないものを選びましょう。人工着色料や保存料、香料などが少ないほど、日常的に食べさせる際の安心感が高まります。また、果汁やビタミン、カルシウムなどの栄養成分が含まれていれば、ちょっとした栄養補給にもなります。甘味料や酸味料の量にも注意し、成分表示を確認してから購入する習慣をつけると良いでしょう。  

&GUMI(アンドグミ)は、着色料をはじめ、特定原材料8品目も不使用の子供向け乳酸菌グミです。1粒に1000億個もの乳酸菌を配合、砂糖の代わりにてんさい糖を使用しているため、お子様にも安全です。

子どものグミに関するよくある質問

子どもにグミを与える際には、安全に食べられるよういろいろな配慮が必要になってきます。ここでは、グミに関するよくある質問と注意点を紹介します。いざという時に困らないように、知っておくことが大切です。

Q:グミを食べ過ぎるとどうなりますか?
グミの食べすぎは、原材料であるゼラチンが原因で、人によってはアレルギー反応である嘔吐や下痢を起こすことがあります。加えて、人工甘味料が使われている場合は、腸に刺激を与えることから下痢になることもあります。

また、よく噛まずに大量に食べると消化不良の原因になりますし、主原料には大量の砂糖やブドウ糖が含まれているので、糖分の過剰摂取につながります。パッケージに記載してある栄養成分表示を確認して適量を楽しめると良いですね。  そして、虫歯にも注意が必要になってきます。食後はきちんと歯みがきをするようにしましょう。

Q:グミが喉に詰まったときはどうすればいいですか?
子どもがグミを喉に詰まらせた場合、命にかかわることがあります。  
「声が出ない」「呼吸が苦しそう」「顔色が青白くなる」などの症状が見られたら、迷わずすぐに救急車を呼びましょう。

同時に応急処置として、  
- 乳児:背部叩打法  
- 幼児:腹部突き上げ法(ハイムリック法)  
を行い、詰まったものを吐き出させることが大切です。落ち着いて迅速に対応しましょう。  

このような応急手当はグミ以外のものが詰まったときにも有効です。もしもに備えて実践できるように、安全教室に参加したり、インターネットなどで調べておくとよいでしょう。

Q:子ども向けグミを選ぶときのポイントはありますか?
それでは、子ども向けのグミを選ぶときには、どんなことに気を付けて選べばよいのでしょうか。いくつかのポイントを紹介します。

・栄養成分で選ぶ
子どもの健やかな成長を考えて、グミを選ぶときに栄養成分に着目してみるのもよいでしょう。おやつは「お楽しみ」ですが、「健康を考えた選び方」を心掛けてみてはいかがでしょうか。最近のグミは栄養機能食品として販売しているものも多くなってきました。

野菜や発酵食品が苦手な子どものためには、ビタミンや鉄分、カルシウムといったミネラルや乳酸菌、食物繊維といった栄養素が配合された商品を選んでみるのもおすすめです。食事だけでは不足しがちな栄養素を補い、毎日の健康をサポートする目的で取り入れるとよいでしょう。

・味や食感で選ぶ
子ども向けのグミは、好きな味や食感で選ぶのもひとつの方法です。美味しいと感じることは、食に興味を持つ第一歩。おやつを通して噛むことの大切さや味覚の発達を自然に身に着けることができます。また、少し苦手な食品を美味しく取り入れられることにもつながります。

初めて食べるときは、やわらかくて噛みやすいタイプを選ぶと安心です。噛む力がついてきたら、少し弾力のあるタイプにしてみるのも良いでしょう。楽しく食べながら、噛む力の発達もサポートできます。

・コストパフォーマンスで選ぶ
子どものおやつは毎日のことなので、できるだけ費用を抑えたいという場合にはコストパフォーマンスで選ぶのもポイントです。  例えば、内容量が多くて価格が手ごろなものや、大袋タイプ、まとめ買いできる商品だと毎日のおやつ代を抑えることができます。

内容量や1回分あたりのコストを確認し、無理なく続けられる価格帯の商品を選ぶとよいでしょう。子どもと買い物する場合には、お金の価値を教えるきっかけのひとつにもなります。おいしさと手軽さのバランスがとても大切になってきます。

まとめ

グミは何歳から食べさせてよいか、時期を見極めるポイントや食べさせるときの注意点について紹介しました。  
グミは一般的に奥歯が生え、よく噛めるようになる**3〜4歳頃**からが目安です。ただし、誤飲や喉詰まりの危険があるため、やわらかいタイプから少量ずつ与えましょう。  

必ず大人がそばで見守り、食べ方を教えることが大切です。栄養サポートタイプのものや、いろいろな味や食感のものが多く売られていますので、成長に合わせて選び方も工夫しましょう。

【執筆者プロフィール】

もり ひろこ

栄養士・管理栄養士歴20年、特別養護老人ホーム、保育所給食、行政栄養士など幅広く経験しております。また、実際に調理現場にも長く立っておりました。多職種の方々と一緒に働いた経験をいかして活動中です。